競艇の進入固定レースは堅いのか。1号艇の1着率は70.0%で通常より16ポイント高いが、毎日の企画レースでは、その差の大半を番組の組み方で説明できた
競艇には「進入固定」と呼ばれるレースがある。
ふだんのレースでは、選手はスタート前に好きなコースを取りに行ける。外の枠の艇が内側のコースに入り込むことを前づけと呼ぶ。進入固定レースでは前づけが禁止され、全艇が枠番どおりのコース(1号艇が1コース、2号艇が2コース……)から出る。
1号艇が必ず一番内側から出るのだから、「進入固定は堅い」と言われる。数字でもそうなるのか。モデルの予測は使わず、2024-01-01〜2026-10-02 の152,830レースを、進入固定(4,196レース)と通常(148,634レース)に分けて数えた。
結論を先に書く。
- 進入固定レースの1号艇1着率は70.0%。通常の54.2%より16ポイント高い。万舟率(3連単が1万円以上になった割合)は11.2%で、通常の16.8%より低い。単純に比べれば「堅い」。
- ただし、進入固定は9つの会場だけで行われていて、4R・5R・7R・8R・9Rに集中している。
- 進入固定は2種類に分かれる。毎日決まったレースだけを固定する企画レース(3,551レース)と、全レースを固定する開催(645レース・9節)だ。節は、同じ会場で数日続けて行う1回の開催のことである。
- 企画レースは、1号艇に相手より実力が上の選手を置く組み方が多い。1号艇と相手5艇の実力差をそろえると、差は+13.7ポイントから+4.6ポイントに縮む。レース番号までそろえると、差は0〜3ポイントほどまで縮む(比べられる日が少なく、幅がある)。
- 全レース固定の開催(9節中8節がルーキーシリーズ)は、固定でないルーキーシリーズと実力差をそろえて比べても+14.4ポイント高い。期間を半分に分けても、前半・後半とも10ポイント以上高い。ただし9節・645レースだけの数字である。
- 1号艇の単勝を買い続けた回収率は、進入固定全体で99.0%。100%には届かない。全レース固定の開催だけを切り出すと110.0%になったが、9節だけの数字で、多くの切り口の中から出てきたものだ。これを根拠に買うことは勧めない(理由は後半に書く)。
進入固定レースは、9会場の決まったレース番号に集中している
まず、進入固定がどこで行われているかを数えた。
| 会場 | 進入固定のレース数 |
|---|---|
| 芦屋 | 981 |
| 大村 | 690 |
| 下関 | 629 |
| 蒲郡 | 503 |
| 若松 | 482 |
| 丸亀 | 445 |
| 常滑 | 260 |
| 宮島 | 194 |
| 福岡 | 12 |
全24会場のうち、進入固定があるのは9会場だけだった。残りの15会場では、この期間に1レースもない。
レース番号で見ると、偏りはさらにはっきりする。

進入固定レース4,196件のレース番号。2024-01-01〜2026-10-02 の152,830レースから数えた。
1R〜3R、6R、10R〜12Rはどれも54レースずつしかない。この54は、全レースを固定する開催の54日ぶんである。それ以外の固定は、「芦屋の4Rと7R」「大村の7R」のように、会場ごとに毎日決まったレース番号で行われている。
| 種類 | レース数 | 中身 |
|---|---|---|
| 毎日の決まったレースだけ固定(企画レース) | 3,551 | 芦屋4R・7R、大村7R、蒲郡7R、若松5R、下関8R、丸亀8R、宮島9R、常滑9R、福岡(12レース) |
| 全レース固定の開催 | 645 | 下関・大村・常滑で各3節、計9節54日。うち8節はルーキーシリーズ(若手選手の開催) |
月ごとの件数は67〜197件(2026年10月は2日分なので除く)で、特定の季節に偏ってはいない。
進入固定かどうかは、レース前に分かる。レース前に出る公式の番組表に「進入固定」と載る。2026年分で突き合わせると、この記事で固定として数えた2026年の1,195レースは、すべて番組表にも「進入固定」と載っていた。
単純に比べると、1号艇の1着率は16ポイント高い
「堅い・荒い」を測る物差しは、この記事では次の3つを使う。
- 1号艇1着率: 一番内側の1号艇が1着になった割合。高いほど「堅い」。
- 万舟率: 3連単(1〜3着を着順どおりに当てる舟券)の配当が1万円以上だった割合。高いほど「荒れた」。
- 3連単配当の中央値: 配当を小さい順に並べた真ん中の値。平均は一部の超高配当に引っ張られるので、中央値で見る。

1号艇1着率。2024-01-01〜2026-10-02 の152,830レース。
| 種類 | レース数 | 1号艇1着率 | 万舟率 | 3連単配当の中央値 | 決まり手「逃げ」の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 通常(全会場) | 148,634 | 54.2% | 16.8% | 2,570円 | 52.1% |
| 通常(固定のある9会場) | 54,289 | 57.0% | 16.3% | 2,400円 | 54.8% |
| 進入固定(全体) | 4,196 | 70.0% | 11.2% | 1,530円 | 67.5% |
| 毎日の決まったレース | 3,551 | 70.5% | 11.1% | 1,480円 | 67.8% |
| 全レース固定の開催 | 645 | 67.4% | 11.9% | 1,900円 | 65.6% |
決まり手の逃げは、1コースの艇が最初のターンマークを先頭で回り、そのまま1着になる勝ち方である。
進入固定の1号艇1着率は70.0%で、通常の54.2%より15.8ポイント高い。95%信頼区間(同じ条件でデータを取り直したとき、真の値がだいたい入る範囲)は、固定が68.6〜71.4%、通常が54.0〜54.5%で、重ならない。万舟率は5.6ポイント低く、配当の中央値は1,000円以上低い。
ここまでは、言われているとおり「堅い」。
ただし、通常の側にも注意がいる。固定のある9会場は、もともと1号艇が少し強い(57.0%)。比べる相手を全会場にすると、差を大きく見積もってしまう。
毎日の企画レースは、1号艇に実力が上の選手を置く組み方が多い
ここで交絡(比べたい要因とは別の要因が、結果に混ざって見えること)を確かめる。
進入固定の企画レースは、ふつうのレースと出場選手の組み方が違う可能性がある。1号艇に強い選手を置けば、進入固定でなくても1号艇はよく勝つ。
1号艇の級別(A1が最上位、A2・B1・B2と続く)を数えた。
| 種類 | 1号艇がA1の割合 | 1号艇がA級(A1かA2)の割合 | 実力差の平均 |
|---|---|---|---|
| 通常 | 31.9% | 59.0% | 0.40 |
| 毎日の決まったレース | 46.4% | 77.8% | 1.28 |
| 全レース固定の開催 | 26.2% | 51.6% | 0.57 |
実力差は、1号艇の全国勝率から、2〜6号艇の全国勝率の平均を引いた値である。全国勝率は、選手の着順を点数にして平均したもので、番組表に載っている。大きいほど、1号艇が相手より格上ということになる。
毎日の企画レースは、実力差の平均が1.28で、通常の3倍以上ある。枠ごとに見ると、丸亀8Rは1号艇が100%A級、芦屋4Rは99.6%がA級だった。企画レースの多くは、1号艇に格上の選手を置く番組になっている。 堅く見えるのは、進入固定のせいか、この組み方のせいか、単純比較では区別できない。
反対に芦屋7Rは、1号艇が0%A級、つまり毎回B級だった。企画レースの中身は会場ごとにかなり違う。
全レース固定の開催は、1号艇の級別も実力差も通常に近い。こちらは番組の組み方による偏りが小さい。
実力差をそろえると、毎日の企画レースの差は4.6ポイントまで縮む
そこで、固定レース1件ごとに、条件をそろえた通常レースの平均を基準として当てる比べ方をした。たとえば「芦屋で、実力差が1.0〜1.5の帯」の固定レースには、同じ「芦屋・実力差1.0〜1.5」の通常レースの1号艇1着率を基準として当てる。

1号艇1着率。基準は、条件をそろえた通常レースの平均。2024-01-01〜2026-10-02 の152,830レース。レース番号までそろえた「−0.1」は、期間を半分に分けると前半+3.4・後半+0.5で、幅がある。
| 比べ方 | 使えた固定レース | 1号艇1着率(固定 → 基準) | 万舟率(固定 → 基準) |
|---|---|---|---|
| 毎日の企画レース|同じ会場・同じ年月 | 3,551 | 70.5% → 56.8%(+13.7) | 11.1% → 16.8% |
| 毎日の企画レース|同じ会場・1号艇の級別・年月 | 3,479 | 70.7% → 60.7%(+9.9) | 11.1% → 16.2% |
| 毎日の企画レース|同じ会場・同じ実力差 | 3,512 | 70.3% → 65.7%(+4.6) | 11.2% → 14.6% |
| 毎日の企画レース|同じ会場・同じレース番号・同じ実力差 | 1,892 | 65.1% → 65.2%(−0.1) | 13.3% → 14.9% |
会場と季節だけをそろえると13.7ポイントの差がある。1号艇の級別をそろえると9.9ポイント、実力差をそろえると4.6ポイントまで縮む。差の3分の2ほどは、1号艇と相手の実力差で説明できる。
さらにレース番号までそろえると、差は−0.1ポイントだった。ただしこの比べ方は細い。たとえば芦屋4Rは、固定でない日が36日しかない。同じ枠で固定でない日がある固定レースだけを使えたので、対象は1,892レースに減っている。この1,892レースで「会場と実力差だけ」をそろえ直すと、差は+3.2ポイントだった。
この比べ方には、もう2つ注意がいる。
- 基準になる「同じ枠で固定でない日」は、企画レースを組まなかった日である。開催の種類がふだんと違う日かもしれない。そうなら−0.1は「進入固定の効果がゼロ」ではなく、「種類の違う日と比べた結果」になる。ここは確かめていない。
- 期間を半分に分けると、この比べ方の差は前半+3.4ポイント、後半+0.5ポイントだった(半分ずつにすると基準の日がさらに減り、使えたのは前半553レース・後半494レース)。0から3ポイントほどの幅がある。
期間を半分に分けても、「同じ会場・同じ実力差」の差は前半+4.5ポイント、後半+4.5ポイントで同じだった。
毎日の企画レースの堅さは、大半が番組の組み方(1号艇に格上を置く)で説明できる。 実力差(全国勝率の差)をそろえた比べ方では、進入固定そのものの上乗せは+4.6ポイントだった。レース番号までそろえると、0〜3ポイントほどまで縮む。全国勝率以外の実力(当地の成績・モーターなど)はそろえていないので、+4.6ポイントが上限とも下限とも言えない。
一方で、万舟率はそろえても基準より低い。実力差をそろえて3.4ポイント低く、レース番号までそろえても1.6ポイント低い。1号艇の1着率がほぼ同じでも、2着・3着の並びまで含めると、少し荒れにくいのかもしれない。ここは確かめていない。
全レース固定の開催は、そろえても14ポイント高い
全レースを進入固定にする開催は、この期間に9節あった。
| 会場 | 開始日 | 開催名 | レース数 |
|---|---|---|---|
| 下関 | 2024-09-09 | ルーキーシリーズ第13戦 | 72 |
| 大村 | 2024-11-25 | ミッドナイトボートレースin大村5 オール進入固定 | 72 |
| 常滑 | 2025-03-25 | オール進入固定RS第7戦 スカパー!第26回JLC杯 | 71 |
| 下関 | 2025-04-05 | にっぽん未来プロジェクト競走in下関ルーキーS | 71 |
| 常滑 | 2025-07-28 | オール進入固定RS第13戦 スカパー第27回JLC杯 | 72 |
| 大村 | 2026-02-26 | RS第4戦 スカパー!・JLC杯 オール進入固定 | 71 |
| 大村 | 2026-04-18 | RS第9戦 スカパー!・JLC杯 オール進入固定 | 72 |
| 下関 | 2026-05-13 | ルーキーシリーズ第10戦 スカパー!JLC杯争奪 | 72 |
| 常滑 | 2026-07-30 | オール進入固定RS第15戦 スカパー第28回JLC杯 | 72 |
「RS」はルーキーシリーズの略である。ルーキーシリーズは、若手選手だけが出る開催だ。9節のうち8節がルーキーシリーズで、2024年11月の大村だけは開催名からはルーキーシリーズかどうか分からない。
若手同士のレースは、もともと1号艇の1着率が低い。固定でないルーキーシリーズ(3,873レース)では52.9%だった。だから全レース固定の開催は、固定でないルーキーシリーズと比べるのが筋がよい。
| 比べ方 | 使えた固定レース | 1号艇1着率(固定 → 基準) | 万舟率(固定 → 基準) |
|---|---|---|---|
| 固定でないルーキーシリーズ|同じ実力差 | 645 | 67.4% → 53.1%(+14.4) | 11.9% → 17.3% |
| 固定でないルーキーシリーズ|同じレース番号 | 645 | 67.4% → 52.8%(+14.7) | 11.9% → 17.3% |
| 同じ会場の通常レース全部|同じ実力差 | 644 | 67.5% → 60.3%(+7.3) | 11.8% → 14.8% |
ルーキーシリーズどうしで実力差をそろえても、差は14.4ポイント残った。期間を半分に分けると、前半は+12.7ポイント、後半は+16.0ポイントで、どちらも大きい。
こちらは、番組の組み方では説明しきれない。全レース固定の開催では、進入固定そのものが1号艇の1着率を押し上げているように見える。
ただし、言えることには限りがある。
- 9節・645レースしかない。1号艇1着率の95%信頼区間は63.7〜70.9%と、幅が7ポイントある。
- 会場は下関・大村・常滑の3つだけで、すべて同じ種類の開催(若手の開催)である。ふつうの選手が出る開催を全レース固定にしたら同じことが起きるかは、データがないので分からない。
- 同じ会場の通常レース全部と比べると、差は7.3ポイントに縮む。基準を何にするかで、差の大きさは倍ほど変わる。
「若手の開催では、前づけを禁じると1号艇が勝ちやすくなるようだ」までは言える。理由までは、このデータでは確かめていない。
会場とレース番号ごとの内訳
毎日の企画レースを、枠ごとにすべて出す。「同じ枠の通常日」は、同じ会場・同じレース番号で、進入固定でなかった日のレースである。
| 会場・R | 固定のレース数 | 1号艇がA級の割合 | 1号艇1着率 | 万舟率 | 同じ枠の通常日(レース数) | 同じ枠の通常日の1号艇1着率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 丸亀8R | 445 | 100% | 80.9% | 9.4% | 109 | 68.8% |
| 芦屋4R | 493 | 99.6% | 77.1% | 11.0% | 36 | 52.8% |
| 若松5R | 482 | 95.4% | 73.4% | 10.2% | 46 | 58.7% |
| 下関8R | 414 | 85.5% | 70.5% | 13.8% | 93 | 67.7% |
| 大村7R | 475 | 67.4% | 68.4% | 9.9% | 64 | 65.6% |
| 常滑9R | 45 | 33.3% | 66.7% | 4.4% | 498 | 57.0% |
| 蒲郡7R | 503 | 97.4% | 65.6% | 8.5% | 43 | 65.1% |
| 宮島9R | 194 | 91.2% | 63.4% | 12.4% | 357 | 53.8% |
| 芦屋7R | 488 | 0% | 61.5% | 15.4% | 42 | 42.9% |
福岡の12レースは件数が少ないので外した。
一番堅い丸亀8Rと2番目の芦屋4Rは、1号艇がほぼ毎回A級だった。ただし蒲郡7Rは97.4%がA級なのに65.6%にとどまる。A級の割合だけで並びが決まるわけではない。芦屋7Rは、1号艇が毎回B級でも1着率61.5%だった。同じ枠の通常日(42レース)は42.9%。相手5艇の実力は枠ごとには数えていないので、級別だけで「B級でも堅い」とは言えない。
「同じ枠の通常日」は36〜109日しかない枠が多い。この列の数字は、件数が少ないぶん揺れが大きい。
1号艇の単勝回収率は、進入固定全体で99.0%。100%には届かない
最後に、お金の面から見る。1号艇の単勝(1着の艇を1つだけ当てる舟券)を毎レース100円買い続けたと仮定した。回収率は、買った金額に対して戻ってきた金額の割合で、100%で収支ゼロ、それ未満は損になる。

1号艇がフライング・欠場で返還されたレースは、買わなかった扱いで除いた。「比較」は、すぐ上の固定レースと実力差をそろえた通常レース。2024-01-01〜2026-10-02 の152,830レース。
| 種類 | 購入レース数 | 回収率 | 95%の範囲 | 実力差をそろえた基準 |
|---|---|---|---|---|
| 通常(全会場) | 147,551 | 90.9% | — | — |
| 進入固定(全体) | 4,169 | 99.0% | 96.6〜101.6% | — |
| 毎日の企画レース | 3,536 | 97.0% | 94.6〜99.6% | 91.6% |
| 全レース固定の開催 | 633 | 110.0% | 101.4〜119.1% | 90.1% |
「95%の範囲」は、開催日を単位に何度も引き直して(ブートストラップ)、回収率がどこまで揺れるかを見たものである。
進入固定全体では99.0%で、100%に届かない。毎日の企画レースは97.0%で、範囲の上の端(99.6%)も100%を下回る。
競艇の舟券は、売上の一部を主催者が先に差し引いてから配当に回す。この差し引かれる割合を控除率と呼ぶ。何も考えずに買い続けると100%を割るのはそのためだ。進入固定の企画レースでも、それは変わらなかった。
全レース固定の開催の110.0%は、根拠として弱い
全レース固定の開催だけは110.0%で、100%を超えた。期間を半分に分けても、前半106.1%・後半113.0%だった。
この記事でいちばん良く見える数字はこれだ。 だからこそ、信じない理由を先に並べる。

1号艇の単勝を毎レース100円買った回収率。1節は約72レース。2024-01-01〜2026-10-02 の152,830レースから、全レース固定の開催の633レース。
- 9節しかない。 節ごとに見ると92.5%〜135.9%とばらつく。9節中7節が100%を超えた。最も高い下関2026年5月(135.9%)を除くと、残り8節で106.7%になる。1節が入るか外れるかで、3ポイント以上動く。
- たくさんの切り口の中から出てきた数字である。 この記事では、1号艇の単勝回収率を種類別・枠別・節別・前後半で、30通りほど計算した。これだけ切れば、どこかに100%を超えるものが出やすい。以前、24会場の回収率を3つの期間に分けて測り直したときも、100%を超えた会場は、同じ会場の別の期間では100%を割っていた。
- 全レース固定の開催は年に2〜4節しかない。 2年9か月で9節だった。同じ数字が今後も続くかを確かめるには、何年もかかる。
- 回収率は、締切後の確定配当で計算している。 オッズは買う人の数で動く。この記事を含め、こうした数字が知られれば、オッズの側が先に織り込む可能性もある。
固定でないルーキーシリーズで同じ買い方をすると、回収率は90.1%(範囲86.5〜93.7%)だった。全レース固定の開催で1号艇がよく勝つことに対して、オッズが十分に下がっていなかった可能性はある。ただし、そこは確かめていない。この数字を将来も100%を超える根拠として使うことは勧めない。
期間を半分に分けても、傾向は同じ
偶然そう見えただけではないかを確かめるため、期間をレース数でほぼ半分に分けた。
| 種類 | 前半の1号艇1着率 | 後半の1号艇1着率 | 前半の万舟率 | 後半の万舟率 | 前半の回収率 | 後半の回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 通常 | 54.4% | 54.1% | 16.9% | 16.7% | 90.9% | 90.8% |
| 毎日の企画レース | 70.0% | 71.1% | 11.3% | 10.9% | 98.0% | 95.9% |
| 全レース固定の開催 | 66.1% | 68.5% | 13.3% | 10.9% | 106.1% | 113.0% |
前半は2024-01-01〜2025-05-18(76,369レース)、後半は2025-05-19〜2026-10-02(76,461レース)。どの種類も、前半と後半で同じ向きだった。全レース固定の開催は、前半286レース・後半359レースと少ない。
測り方の詳細数え方と対象の決め方。読まなくても本文の結論は変わりません
- 期間とレース数: 2024-01-01〜2026-10-02。DBの最初の日付から、執筆日(2026-10-03)の前日までの全データを使った。
- 母集団: 競走成績の記録があり、3連単の払戻データがある152,830レース。DBの
raceテーブルにある同期間の155,028レースのうち、競走成績の記録が無い1,957レースと、3連単の払戻が無い241レースを除いた。フライングや欠場の艇がいるレースも含めている。 - 進入固定の判定: 公式の競走成績で、レースの見出し行に「進入固定」とあるもの(4,196レース)。2026年分は、レース前に出る番組表とも突き合わせ、全件が番組表にも「進入固定」と載っていることを確かめた。2024〜2025年分は突き合わせていない。
- 進入固定なのにコースが枠番と違ったレースが39件あった。欠場した艇がいて、外の艇が1つずつ内へ詰めたものである。固定として数えている。
- 2種類の分け方: その会場・その日に進入固定が10レース以上あれば「全レース固定の開催」、それ以外を「毎日の決まったレース」とした。
- ルーキーシリーズの判定: 開催名に「ルーキー」「RS第」「JLC」のいずれかを含むもの。「レディースVSルーキーズ」のような混合戦と、名前に「進入固定」を含む開催は、比べる基準から外した。
- 実力差: 1号艇の全国勝率から、2〜6号艇の全国勝率の平均を引いた値。0.5刻みの帯に分けて、帯をそろえた。全国勝率は番組表の値。
- 条件をそろえた比べ方: 固定レース1件ごとに、同じ条件の通常レースの平均を基準として当て、それを平均した。基準の通常レースが10件未満の条件は除いた(レース番号と実力差を両方そろえた比べ方だけは5件以上)。
- 1号艇の単勝回収率: 1号艇の単勝を毎レース100円買った場合の、払戻の合計÷購入額。1号艇がフライング・出遅れ・欠場で返還されるレースは購入に含めていない。「95%の範囲」は、開催日(会場×日)を単位にした2,000回のブートストラップ。全レース固定の開催は、節を単位にしても102.2〜118.7%だった。
- 既刊記事との関係: 天候別の記事(2026-09-30まで)では、全体の1号艇1着率を54.7%と書いた。本記事の54.2%は、進入固定を除いた通常レースだけの値である。進入固定を含めた全体は、本記事でも54.7%になる。
- この記事の集計はすべて過去データを数えたもので、モデルの予測は使っていない。
まとめ
- 進入固定レースは、単純に比べれば堅い。 1号艇1着率は70.0%で通常(54.2%)より16ポイント高く、万舟率は11.2%で通常(16.8%)より低い。
- ただし、進入固定は9会場の決まったレース番号に集中している。 毎日の企画レースは、1号艇に格上の選手を置く組み方が多い。
- 毎日の企画レースは、実力差をそろえると差が4.6ポイントまで縮み、レース番号までそろえると0〜3ポイントほどになる。 堅さの大半は、進入固定そのものより番組の組み方で説明できる。
- 全レース固定の開催(主にルーキーシリーズ)は、ルーキーシリーズどうしで実力差をそろえても14.4ポイント高い。 ただし9節・645レースだけの数字で、ふつうの開催に当てはまるかは分からない。
- 1号艇の単勝回収率は、進入固定全体で99.0%。 全レース固定の開催だけを切り出すと110.0%になったが、9節だけで節ごとのばらつきも大きい。根拠として使うのは勧めない。
「進入固定は堅い」という言葉は、「進入固定の企画レースは、1号艇に強い選手が置かれることが多いので堅い」と読み替えるのが、数字には合っている。毎日の企画レースを見るときは、固定かどうかより先に、1号艇と相手の実力差を見た方がいい。
免責
- 本記事に記載した数値はすべて過去データに対する実測であり、将来の的中や利益を保証するものではありません。
- 本記事および言及したツールは分析の補助を目的としており、舟券の購入を勧誘するものではありません。
- 舟券は20歳未満の方は購入できません。
- 舟券の購入は自己責任で、生活に必要な資金とは別の、余裕資金の範囲で行ってください。のめり込みには十分ご注意ください。