12Rは1号艇が7割勝つ。それでも単勝の回収率は1Rと変わらない
1Rと12Rは、同じ「1レース」でも中身がまるで違う。12Rは1号艇の1着率が70.8%で、12個のレース番号の中でいちばん高い。1Rは58.6%で、2〜4Rの46〜47%よりはっきり高い。
結論から書く。 1号艇の勝ちやすさと配当の中央値は、レース番号ではっきり違う。ただし、1号艇の単勝を買い続けた回収率は、1Rが91.8%、12Rが90.5%で、どのレース番号でも89.7〜92.2%に収まった。100%に届いたレース番号は1つも無い。 万舟(3連単配当1万円以上)の割合も、1Rの16.1%と12Rの16.2%でほぼ同じだった。
集計したのは 2024-01-01〜2026-10-06 の 151,246 レース。
集計の範囲
- 期間: 2024-01-01(手元のDBの最初の日)〜2026-10-06
- 対象: 151,246レース。6艇がそろって出走し、1着が決まり、単勝の払戻があるレースだけ
- 除いたもの: 結果が無いレース(中止と見られる)1,957件、欠場などで6艇そろわなかったレース2,333件、1着がいないレース21件、単勝の払戻が無いレース83件
- 配当の集計: 上のうち、3連単の払戻があった151,040レース
- 単勝の回収率: 1号艇がフライングしたレースは返還されるので、分母から外した
中止は後半のレースほど多い。そのため、レース数は1Rの12,753から12Rの12,429まで少しずつ減っている。
回収率は、払った金額に対して戻ってきた金額の割合のこと。100%で収支トントン、それ未満は損になる。
1号艇の1着率は、2〜4Rで低く、12Rで高い
レース番号ごとに、1号艇が1着になった割合を出した。

出典: 自前DB 151,246レース(2024-01-01〜2026-10-06)
形は単純な右肩上がりではない。1Rが58.6%と高く、2〜4Rで46〜47%まで下がる。そこから少しずつ上がって、11Rで66.8%、12Rで70.8%になる。
前半(2024-01-01〜2025-05-21)と後半(2025-05-21〜2026-10-06)に分けても、1Rは58.4%→58.8%、12Rは70.9%→70.7%だった。期間を変えても形は崩れていない。
1Rと12Rでは、出てくる選手がまるで違う
1Rと12Rの1号艇の1着率は12ポイントしか違わない。しかし、乗っている選手の中身は大きく違う。
| R | 1号艇がA1 | 1号艇がB級 | 6艇中のA1(平均) | 1号艇の全国勝率(平均) | 実力差(平均) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1R | 20.8% | 54.2% | 0.62人 | 5.21 | +0.78 |
| 2R | 12.9% | 69.4% | 0.97人 | 5.01 | +0.11 |
| 3R | 14.6% | 64.7% | 1.22人 | 5.12 | +0.02 |
| 4R | 21.4% | 57.7% | 1.34人 | 5.28 | +0.09 |
| 5R | 30.1% | 39.2% | 1.38人 | 5.58 | +0.48 |
| 6R | 21.9% | 51.7% | 1.42人 | 5.34 | +0.25 |
| 7R | 19.8% | 49.7% | 1.28人 | 5.35 | +0.35 |
| 8R | 23.0% | 41.9% | 1.22人 | 5.45 | +0.48 |
| 9R | 24.9% | 27.9% | 1.24人 | 5.68 | +0.52 |
| 10R | 41.7% | 19.7% | 1.73人 | 5.98 | +0.47 |
| 11R | 69.3% | 6.8% | 2.08人 | 6.37 | +0.70 |
| 12R | 87.3% | 2.6% | 3.17人 | 6.73 | +0.76 |
用語を2つ説明しておく。
- 級別(A1・A2・B1・B2): 選手のランク。A1がいちばん上。表の「B級」はB1とB2の合計
- 実力差: 1号艇の全国勝率から、他の5艇の全国勝率の平均を引いた値。プラスが大きいほど、1号艇が他より格上
表から読めることは2つある。
- 12Rは強い選手どうしのレース。 1号艇の87.3%がA1で、6艇中のA1は平均3.17人いる。
- 1Rは、弱めのメンバーの中で1号艇だけが格上のレース。 1号艇の半分以上(54.2%)がB級なのに、実力差は+0.78で12Rの+0.76とほぼ同じ。6艇中のA1は平均0.62人しかいない。
2〜4Rは実力差が+0.02〜+0.11とほぼゼロで、1号艇が他の艇と横並びのレースが多い。1号艇の1着率がいちばん低いのはこの帯である。
開催区分の名前を見ても違いが出る。12Rは「優勝戦」「準優勝戦」「予選特選」「ドリーム戦」が上位に並ぶ。1Rは「予選」「一般」のほかに、会場ごとに名前のついたレース(「ファーストB」「サンライズV」など)が並ぶ。こうしたレースを番組としてどんな条件で組んでいるかは、公式資料では確認していない。
実力差でそろえると、1Rの高さは説明がつく。12Rは説明しきれない
1Rの1号艇が強いのは、実力差が大きいからなのか。12Rも同じなのか。これを確かめるために「見込み」と比べた。
見込みとは、同じ会場で同じくらいの実力差だったレース全体で、1号艇が何%勝ったかという値である。レースごとに見込みを当てて、実際の1着率との差を見る。差が0なら「実力差だけで説明がつく」、プラスなら「実力差から考えるより多く勝っている」という意味になる。

出典: 自前DB 151,246レース(2024-01-01〜2026-10-06)。青=会場×実力差の見込みとの差、橙=会場×実力差×1号艇の全国勝率の見込みとの差
青いバー(会場×実力差でそろえた見込み)を見ると、次のことが分かる。
- 1Rは−0.4ポイント。 1Rの1着率の高さは、ほぼ実力差だけで説明がつく
- 12Rは+10.7ポイント。 実力差をそろえても、12Rの1号艇は10ポイント以上多く勝っている
- 2〜8Rは−2〜−4ポイント。 同じ実力差でも、見込みより少し勝てていない
12Rの上乗せは、前半+10.7・後半+10.6で、期間を変えても同じだった。
同じ実力差でも、1号艇自身が強いほど勝つ
実力差が同じでも、「全員が強い中で1号艇が少し上」なのか「全員が弱い中で1号艇が少し上」なのかは違う。実力差0.5〜1.0のレースだけを取り出して、1号艇自身の全国勝率ごとに1着率を出した。
| 1号艇の全国勝率 | レース数 | 1号艇1着率 |
|---|---|---|
| 4未満 | 103 | 44.7% |
| 4〜5 | 2,319 | 52.2% |
| 5〜6 | 11,653 | 56.6% |
| 6〜7 | 10,053 | 66.4% |
| 7以上 | 2,453 | 72.0% |
実力差が同じ範囲でも、1号艇の全国勝率が5〜6の帯では56.6%、7以上の帯では72.0%だった。15ポイントの開きがある。
そこで、見込みの条件に「1号艇自身の全国勝率」も足した(図の橙のバー)。12Rの上乗せは+10.7から+3.6ポイントまで縮んだ。12Rの1号艇が多く勝つ理由の大部分は、「1号艇自身が強い選手であること」で説明できる。
ただし、+3.6ポイントはゼロではない。前半+3.6・後半+3.2と、どちらの期間でも残った。同じ条件で1Rも+3.0(前半+2.7・後半+3.1)残る。この残りの原因は分かっていない。全国勝率に出ない最近の調子や、その節の成績(予選の得点順位など)はDBに無いので、ここから先は確かめられない。
12Rの中でも、準優勝戦がいちばん上乗せが大きい
12Rを開催区分で3つに分けて、会場×実力差の見込みと比べた。
| 12Rの区分 | レース数 | 1号艇1着率 | 見込み | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 優勝戦 | 2,262 | 68.8% | 55.9% | +12.9 |
| 準優勝戦 | 1,468 | 75.4% | 61.4% | +14.0 |
| その他 | 8,699 | 70.5% | 61.0% | +9.6 |
3つとも見込みを上回った。優勝戦の1着率(68.8%)が準優勝戦(75.4%)より低い点は、以前の記事「優勝戦の1号艇は、勝率は上がるのに回収率は下がる」と同じ向きだった(集計の期間と母集団は別)。
配当: 12Rは中央値が低い。でも万舟の割合は1Rと変わらない

出典: 自前DB 3連単の払戻がある151,040レース(2024-01-01〜2026-10-06)
3連単配当の中央値(配当を小さい順に並べて、ちょうど真ん中のレースの配当)は、12Rが2,000円でいちばん低い。2Rと3Rが3,020円でいちばん高い。1Rは2,470円で、全体(2,550円)より少し低い。1号艇の1着率と、ほぼ裏返しの形になっている。

出典: 自前DB 3連単の払戻がある151,040レース(2024-01-01〜2026-10-06)
一方、万舟率(3連単配当が1万円以上になったレースの割合)は、どのレース番号でも15.7〜18.5%に収まった。1Rは16.1%、12Rは16.2%でほぼ同じ。2〜4Rが17.8〜18.5%で少し高い程度である。
3連単の平均配当も、1Rが6,861円、12Rが7,098円で、12Rの方が少し高い。12Rは「堅く決まるレースが多い」が、「大きく荒れるレースが少ない」わけではない。
万舟率も、会場×実力差で見込みを作って比べた。差はどのレース番号でも±1.0ポイント以内だった。万舟の出やすさは、レース番号よりも実力差で決まっている部分が大きいと読める。
単勝の回収率は、どのレース番号でも100%に届かない
最後に、1号艇の単勝を毎レース100円ずつ買い続けた場合の回収率を出した。

出典: 自前DB 151,246レース(2024-01-01〜2026-10-06)。1号艇がフライングしたレースは分母から除いた
| R | 1号艇1着率 | 単勝1号艇 回収率 |
|---|---|---|
| 1R | 58.6% | 91.8% |
| 2R | 47.0% | 91.3% |
| 3R | 46.2% | 91.1% |
| 4R | 47.0% | 89.7% |
| 5R | 53.2% | 91.2% |
| 6R | 48.4% | 90.9% |
| 7R | 51.1% | 92.2% |
| 8R | 52.4% | 91.3% |
| 9R | 56.4% | 90.9% |
| 10R | 59.9% | 90.6% |
| 11R | 66.8% | 92.2% |
| 12R | 70.8% | 90.5% |
| 全体 | 54.8% | 91.1% |
1着率は46.2%から70.8%まで24ポイント以上動く。それなのに、回収率は89.7%から92.2%の、2.5ポイントほどの幅に収まった。いちばん高い7Rと11Rでも92.2%で、100%には届かない。
これは、オッズ(払戻の倍率)が1号艇の勝ちやすさをほぼ織り込んでいると読める。12Rの1号艇はよく勝つが、そのぶん単勝の配当が安い。2〜4Rの1号艇はあまり勝たないが、そのぶん配当が高い。差し引きすると、どのレース番号でも同じくらいの回収率に落ち着く。
背景には控除率がある。舟券の売上のうち、払戻に回らずに主催者側に残る割合のことだ。売上の一部が先に差し引かれるので、買う人全体の回収率を平均すると100%を下回る。レース番号を選んでも、この仕組みは変わらない。
前半・後半で分けても、1Rは92.2%→91.5%、12Rは90.4%→90.6%だった。
まとめ
| 見たもの | 1R | 12R | 違うと言えるか |
|---|---|---|---|
| 1号艇の1着率 | 58.6% | 70.8% | 違う(前後半とも同じ) |
| 3連単配当の中央値 | 2,470円 | 2,000円 | 違う |
| 万舟率 | 16.1% | 16.2% | ほぼ同じ |
| 単勝1号艇の回収率 | 91.8% | 90.5% | ほぼ同じ。どちらも100%未満 |
1Rと12Rは、1号艇の勝ちやすさと配当の中央値で見ると、はっきり性格が違う。1Rは「弱めのメンバーの中で1号艇だけが格上」、12Rは「強い選手どうしで、1号艇がさらに強い」という違いがある。
一方で、大きく荒れる割合と、1号艇の単勝を買い続けた回収率には、ほとんど差が無かった。レース番号で1号艇の勝ちやすさは変わるが、オッズがそれを先に織り込んでいる。 この記事の数字からは、レース番号を選ぶだけで回収率が100%を超える、とは言えない。
この記事で確かめたこと・確かめなかったこと
- 確かめた: 1号艇の1着率・3連単配当の中央値・万舟率・単勝1号艇の回収率を、レース番号ごとに151,246レースで数えた。前半・後半で同じ傾向が出ることも確かめた。
- 確かめた: 1Rの1着率の高さは実力差でほぼ説明がつくこと。12Rの上乗せは、1号艇自身の全国勝率を加えると+10.7から+3.6ポイントまで縮むこと。
- 確かめなかった: 1Rや12Rの番組を組むときの公式のルール。この記事はデータに出た傾向だけを書いている。
- 確かめなかった: ナイターかどうか(締切時刻)との関係。12Rは会場によって昼にも夜にもなる。
- 確かめなかった: 最後に残った+3ポイント前後の原因。最近の調子や節の中の成績はDBに無い。
- 確かめなかった: 3連単の回収率。買い目の決め方で結果が変わるため、この記事では1号艇の単勝だけを扱った。
- 参考: 会場ごとに見ると、12Rの1号艇の1着率が1Rより高い会場は24会場中17。残り7会場は1Rの方が高かったが、1会場あたりのレース数が少なく差が偶然の幅に収まりうるので、会場名を挙げた結論は書いていない。
計算の手順と全部の数字は、計算ログ(articles/_work/i43_calc.md)に残している。
免責
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