競艇の合成オッズ|3連単を1〜6番人気で6点買うと実質1.9倍、回収率77.4%

オッズと回収率 公開

3連単を何点かまとめて買うとき、「合成オッズ」で考える人は多い。6点買って合成オッズが2倍なら、当たれば賭け金が2倍になる、という見方である。

では、その「実質◯倍」は、実際の払戻や回収率とどれだけ合うのか。回収率は、賭けた金額のうち払戻で戻った割合で、100%でトントンになる。

確かめるのに、モデルの予測は使っていない。2026-01-15〜2026-07-20 の28,212レースで、締切時点のオッズの低い順に6点を機械的に選び、合成オッズと実際の結果を突き合わせた。集計の終端は2026-10-16だが、3連単の確定オッズが記録されているのはこの期間だけである。

結論を先に書く。

  • 1〜6番人気の6点は、合成オッズの中央値が1.91倍だった。 「実質1.9倍」の買い方である(中央値は、小さい順に並べてちょうど真ん中の値)。
  • 合成オッズ1.9倍でトントンにするには、平均52.8%の的中率が要る。実際の的中率は41.7%だった。 差は11.1ポイント。回収率は77.4%で、100%に届かない。
  • 「実質◯倍」は、当たったときの倍率ではない。 6点を100円ずつ買うと、払戻は何番人気が来たかで変わる。6点が当たった11,755レースのうち、13.5%は払戻が600円を割った。当たっても損をしたレースである。
  • 買い目を何点に広げても、実際の的中率はトントンの線に届かなかった。 1点でも12点でも回収率は76〜78%、20点で74.9%だった。
  • 合成オッズが低いレースほど、回収率はやや高い。 1.5倍未満の帯で81.2%、3〜4倍の帯で67.8%。ただし、どの帯も100%未満である。
  • 期間を広げても同じだった。 2024-01-01〜2026-10-16 の154,953レースで「1〜6番人気を各100円」を数え直すと、的中率40.9%・回収率77.1%だった。

合成オッズとは何か: 6点まとめて1つの舟券と見たときの倍率

オッズは、100円の舟券が当たったときに何倍で戻るかを表す数字である。3連単のオッズが8.0倍なら、100円が800円になる。

合成オッズは、何点かの買い目を「まとめて1つの舟券」と見たときの倍率である。式は次のとおり。

合成オッズ = 1 ÷(1/オッズ₁ + 1/オッズ₂ + … + 1/オッズₖ)

この倍率どおりに戻るのは、どれが当たっても払戻が同じになるように、賭け金を配分したときである。オッズの低い組に多く、高い組に少なく賭ける。

もう1つ、この記事で大事な数字がある。合成オッズの逆数(1÷合成オッズ)は、トントンにするのに必要な的中率になる。合成オッズ2倍なら、2回に1回(50%)当たってやっとトントンである。


6点買いの決め方: 締切時点のオッズが低い順に6組

この記事の「6点買い」は、次のように機械的に決めた。

  • 選び方: 3連単120通りのうち、締切時点のオッズ(確定オッズ)が低い順に6組。つまり1〜6番人気。同じオッズが並んだときは組番の文字順で決めた。
  • 買い方: 2通り計算した。
  • 均等買い: 6組を各100円、計600円。実際の払戻(race_payout)で回収率を出した。
  • 合成オッズどおりの配分: どれが当たっても払戻が同じになるように600円を分ける。100円単位では割り切れないので、これは理論値である。
  • 使ったデータ: DBのrace_odds3tテーブル(3連単の確定オッズ)とrace_payoutテーブル(払戻)。

注意が1つある。確定オッズは締切後に決まる数字である。 実際に舟券を買う時点では、オッズはまだ動いている。この記事の数字は「締切時点のオッズで選べたとしたら」の計算で、買う時点の見え方とは少し違う。


実例: 住之江12Rの6点は合成1.91倍だった

中央値にいちばん近かったレースを1つ見る。2026-05-14の住之江12Rである。

人気 組番 オッズ 均等買い(各100円)で当たったら 合成どおりの配分
1 1-2-4 8.0倍 800円(600円の1.33倍) 143円
2 1-2-3 8.5倍 850円(1.42倍) 135円
3 1-4-2 11.3倍 1,130円(1.88倍) 101円
4 1-3-2 14.2倍 1,420円(2.37倍) 81円
5 1-3-4 15.6倍 1,560円(2.60倍) 73円
6 1-4-3 17.2倍 1,720円(2.87倍) 67円

1/オッズを6つ足すと0.524。その逆数で、合成オッズは1.91倍になる。合成どおりに配分すると(右の列)、どれが当たっても約1,145円が戻る。

均等買いでは、戻りは800円〜1,720円の幅になる。実際の決着は3番人気の1-4-2で、払戻は1,130円(600円の1.88倍)だった。同じ「実質1.91倍」でも、均等買いで戻る額は何番人気が来たかで決まる。


6点の合成オッズは中央値1.91倍。トントンに要る的中率は52.8%、実際は41.7%

28,212レース全体で見る。

項目 値
合成オッズ(中央値) 1.91倍
合成オッズ(下位1割〜上位1割) 1.39倍〜2.94倍
トントンに要る的中率(1÷合成オッズ の平均) 52.8%
実際の的中率 41.7%(11,755レース)
回収率(均等買い・実際の払戻) 77.4%
回収率(合成オッズどおりの配分・理論値) 77.9%

実際の的中率は、トントンの線より11.1ポイント低い。 そのぶん回収率は77%台にとどまった。

配分のしかたを変えても、回収率はほとんど変わらない(77.4%と77.9%)。合成オッズは「どう配分すれば払戻がそろうか」を示す数字で、期待できる戻りそのものを増やすものではない。

なぜ届かないのか: オッズにはもともと上乗せがある

トントンに要る52.8%は、「オッズが示す的中確率」をそのまま足した数字である。ところがオッズには、もともと上乗せが入っている。

確かめるために、1レースの3連単120通りすべての「1/オッズ」を足した。仮に上乗せが無ければ、合計はちょうど1になるはずだ。実際の合計は中央値で1.34だった。 120通りを合成オッズどおりに全部買うと、戻りは賭け金の約75%(1÷1.34)になる計算である。

競艇の舟券は、売上の一部を主催者が先に差し引いてから配当に回す。この差し引かれる割合を控除率と呼ぶ。オッズはこの差し引き後の配当から計算されるので、平均すると「1/オッズ」は実際の確率より大きめに出る。

上乗せを割り戻すと、6点の「市場の見込み」は平均39.5%になる(6点の1/オッズの合計 ÷ 120通りの合計)。実際の的中率41.7%は、この見込みを2.2ポイント上回った。この期間では、人気の組は市場の見込みより少しだけよく当たった。 ただし、トントンに要る52.8%には遠く届かない。


「実質1.9倍」は当たったときの倍率ではない。当たっても13.5%は600円を割る

均等買いで6点が当たったとき、払戻は600円の何倍だったか。11,755レース分を並べた。

当たっても13.5%は600円を割る

2026-01-15〜2026-07-20・28,212レースのうち、1〜6番人気の6点(各100円)が当たった11,755レース。実際の払戻を600円で割った分布。

  • 当たったときの払戻は、中央値で1,040円(600円の1.73倍)。合成オッズの中央値1.91倍より低い。
  • 当たったレースの13.5%(1,592レース)は、払戻が600円を割った。 100円で買った組の払戻が600円に届かないのは、その組の配当が6倍未満だったときである。
  • 逆に、600円の3倍以上が戻ったのは10.1%(1,189レース)だった。

当たった組の人気順も数えた。6点の中では、人気が高い組ほどよく当たる。

当たった組 全レースに占める割合
1番人気 10.8%
2番人気 8.7%
3番人気 6.8%
4番人気 5.8%
5番人気 5.1%
6番人気 4.4%
合計(6点のどれか) 41.7%

(各行は四捨五入しているので、足すと41.6%になる)

均等買いでは、よく当たる1番人気がいちばん安い。そのため「当たったときの平均的な倍率」は、合成オッズより下に寄る。合成オッズは、均等買いで当たったときの戻りを表す数字ではない。 均等買いで合成オッズを見るなら、「トントンに要る的中率」を読む道具として使うのが合っている。


何点に広げても、実際の的中率はトントンの線に届かない

6点以外も同じように計算した。1番人気から順にk点を買う。

何点買っても、実際の的中率はトントンの線に届かない

2026-01-15〜2026-07-20・28,212レース。青=トントンに要る的中率(1÷合成オッズ の平均)、赤=実際の的中率。横軸は1〜6・8・10・12・20点で、間隔は等しくない。縦軸は0〜100%。

買い目 合成オッズ(中央値) トントンに要る的中率 実際の的中率 回収率(均等買い)
1点 7.80倍 13.6% 10.8% 77.3%
2点 4.25倍 24.5% 19.6% 77.9%
3点 3.09倍 33.3% 26.4% 77.3%
4点 2.50倍 40.8% 32.2% 77.2%
5点 2.15倍 47.2% 37.3% 77.7%
6点 1.91倍 52.8% 41.7% 77.4%
8点 1.61倍 62.1% 48.9% 77.1%
10点 1.43倍 69.7% 54.7% 76.9%
12点 1.31倍 76.0% 59.4% 76.4%
20点 1.06倍 93.3% 72.2% 74.9%

読み取れることは3つある。

  1. 点数を増やすと、的中率は上がる。トントンに要る的中率は、それ以上の速さで上がる。 1点では差が2.8ポイントだが、12点では16.6ポイントに開いた。
  2. 回収率は、12点まではほぼ横ばい(76〜78%)。 点数を変えても、戻りの割合はほとんど動かない。20点で74.9%まで下がった。
  3. 20点まで広げると、合成オッズの中央値は1.06倍になる。 1割以上のレースで合成オッズが1倍を割った。合成オッズどおりに配分すると、どれが当たっても賭け金を下回る買い方になる。

合成オッズが低いレースほど回収率はやや高い。ただしどの帯も100%未満

6点の合成オッズで、レースを5つの帯に分けた。合成オッズが低いのは、人気が上位に集中している(堅いと見られている)レースである。

合成オッズ帯別の回収率(1〜6番人気を各100円)

2026-01-15〜2026-07-20・28,212レース。合成オッズは1〜6番人気の6点で計算。カッコ内はレース数。

合成オッズの帯 レース数 トントンに要る的中率 実際の的中率 回収率(均等買い)
1.5倍未満 4,917 74.5% 62.1% 81.2%
1.5〜2倍 10,870 57.9% 46.1% 79.0%
2〜3倍 9,891 42.4% 32.4% 76.4%
3〜4倍 2,168 29.9% 20.5% 67.8%
4倍以上 366 22.9% 12.8% 57.9%

合成オッズが低い帯ほど、回収率はやや高い。期間を前半(2026-01-15〜04-20)と後半(04-21〜07-20)に分けても、3〜4倍の帯は67.1%と68.6%で、2倍未満の帯(78.1〜82.7%)より低かった。

ただし、いちばん高い1.5倍未満の帯でも81.2%で、100%には届かない。 4倍以上の帯は366レースしかなく、前半49.9%・後半67.8%と大きく揺れた。人気薄ほど回収率が低くなる形は、賭けの市場でよく知られる傾向(人気薄が過大評価されやすい)と同じ向きである。ただ、ここでは理由までは確かめていない。


期間を広げても同じ: 154,953レースで的中率40.9%・回収率77.1%

確定オッズがあるのは2026-01-15〜07-20だけである。そこで、期間を広げて確かめた。

DBのrace_payoutテーブルには、決着した3連単の組が締切時点で何番人気だったか(popularity)が記録されている。これを使えば、オッズが無くても「1〜6番人気を各100円」の結果は数えられる(合成オッズは計算できない)。

期間 レース数 的中率 回収率(均等買い)
2026-01-15〜07-20(オッズあり) 28,212 41.7% 77.4%
2024-01-01〜2026-10-16(全期間) 154,953 40.9% 77.1%

ほぼ同じ数字になった。オッズがある期間では、自分で付けた人気順とpopularityが96.9%のレースで一致した(ずれは同じオッズが並んだときの順番など)。

参考までに、このツールのモデルが選んだ「3連単 上位6点」の回収率は78.4%(検証期間の2026-02-17〜08-30・29,750レース、別の記事で報告)だった。選び方も期間も違うが、人気順で機械的に選んだ6点(77.1〜77.4%)とほぼ同じ水準である。


測り方の詳細数え方と対象の決め方。読まなくても本文の結論は変わりません
  • 期間: 集計の終端は2026-10-16(執筆日2026-10-17の前日)。ただしrace_odds3tに確定オッズがあるのは2026-01-15〜2026-07-20の28,540レースだけで、それ以降は無い。同じ期間に番組があったレースは28,848なので、オッズが取れているのは98.9%。
  • 対象: 3連単120通りのオッズがすべてそろい、3連単の払戻があるレース(28,212レース)。欠場で組数が60・24通りに減ったレース(285)と、払戻の行が無いレース(43)は除いた。
  • 確定オッズの点検: 当たった組の「オッズ×100円」と実際の払戻を比べると、1%以内で一致したのは27,735レース(98.3%)。残り477レースはずれていた。原因は確かめていない(締切前の値が記録された可能性がある)。一致したレースだけで計算し直すと、6点の的中率42.0%・回収率78.2%で、結論は変わらない。
  • 合成オッズ: 1 ÷ Σ(1/オッズ)。上位1割・下位1割は、レースごとの合成オッズを並べたときの位置。
  • トントンに要る的中率: レースごとの「1÷合成オッズ」を平均したもの。
  • 回収率(均等買い): 当たったレースの実際の払戻の合計 ÷(購入点数×100円×レース数)。
  • 回収率(合成オッズどおりの配分): 当たったレースの合成オッズの合計 ÷ レース数。100円単位の端数は無視した理論値。
  • 当たったときの倍率の分布: 実際の払戻(race_payout)÷ 600円で計算した。確定オッズ×100円で計算すると、600円割れは13.2%(1,556レース)になる。差の36レースは、すべて上の477レースに含まれる。
  • 全期間の確かめ: race_payoutの3連単で、popularityが1〜6の払戻を合計し、600円×レース数で割った。同じ期間の番組は157,152レース。組番が数字でない行(「不成立」「特払」など)と払戻の無いレース、計2,199レースを除いた。
  • 確かめていないこと: 人気薄ほど回収率が低い理由、締切前(実際に買える時点)のオッズで選んだ場合の結果、2026-07-21以降の期間。
  • 集計のSQLと結果は計算ログ(articles/_work/i26_calc.md)に残した。

まとめ

  • 合成オッズ: 1〜6番人気の3連単6点は、中央値で「実質1.91倍」。トントンに要る的中率は平均52.8%。
  • 実際: 的中率は41.7%で、回収率は77.4%。オッズにはもともと上乗せ(120通りの1/オッズの合計が約1.34)があり、その差は埋まらなかった。
  • 当たったとき: 均等買いでは、払戻は何番人気が来たかで決まる。当たったレースの13.5%は600円を割った。
  • 点数: 1点でも12点でも回収率は76〜78%。点数を増やすと、トントンに要る的中率の方が速く上がる。
  • 帯: 合成オッズが低いレースほど回収率はやや高いが、いちばん高い帯でも81.2%。

合成オッズは、多点買いを「1枚の舟券」として読むための便利な数字である。ただ、教えてくれるのは「何%当たればトントンか」までで、そこに届くかどうかは別の話だった。28,212レースでは、どの点数でも届かなかった。


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