競艇の地元選手は有利か|1着率は1ポイント高いが単勝回収率は68%で同じ
「地元の選手は水面を知っているから強い」。競艇ではよく聞く話だ。
では、数字の上で地元の選手はどれだけ勝っているのか。モデルの予測は使っていない。2024-01-01〜2026-10-17 の153,352レース(919,655艇)で、地元の選手が1着になった割合を数えた。「地元」の決め方は次の章に書いた。
結論を先に書く。
- 地元の選手は、1着率が少し高い。 枠と実力(全国勝率)と相手関係をそろえて比べると、地元は地元外より1.0ポイント高かった。同じ選手が地元で走ったときと他場で走ったときを比べても、同じ1.0ポイントだった。期間を前半・後半に分けても、どちらも信頼区間が0をまたがずプラスだった。
- 地元外の選手と同じレースで戦うときに限ると、差は1.7ポイントになる。 6艇すべてが地元のレースが8,151あり、そこでは地元どうしで勝ち負けが決まるため、全体の差が薄まっていた。
- 差が一番大きいのは1号艇だ。 1号艇の地元選手は、見込みより2.6ポイント多く勝った。6号艇では0.3ポイントだった。
- 24会場のうち22会場で、地元がプラスだった。 逆向きは東京の平和島と多摩川だけ。東京支部の地元差は、3会場を合わせてほぼ0だった。理由は確かめていない。
- お金の面では、差がほとんど消える。 地元の艇の単勝を全部買うと回収率68.4%、地元外は68.3%。1号艇に限ると地元92.1%・地元外90.8%で、どちらも100%に届かない。1着率の差は、単勝の回収率にはほとんど表れなかった(配当がその分低くなっている、と見ると数字の形は合う。ただしオッズの動きそのものは確かめていない)。
データの中身: 「地元」=選手の支部と、会場の所在地が同じ
使ったのは、番組表(レース前に公開される出走表)のrace_entry.branch(選手の支部)と、raceテーブルの開催場、race_resultの着順である。
- 期間: 2024-01-01〜2026-10-17。DBの最初の日付から、執筆日(2026-10-18)の前日まで。
- 対象: 153,352レース・919,655艇。6艇すべてが進入し(欠場なし)、1着の艇がいて、単勝の払戻があるレース。除いたレースは末尾の「測り方の詳細」に書いた。
- 支部: 選手が所属する地区。DBには18種類あり、名前はすべて都府県名(群馬・埼玉・東京・静岡・愛知・三重・福井・滋賀・大阪・兵庫・徳島・香川・岡山・広島・山口・福岡・佐賀・長崎)だった。この18は、24会場の所在地の都府県とちょうど一致する。
- 地元: 選手の支部が、開催場のある都府県と同じとき。東京支部の選手は平和島・多摩川・江戸川の3会場で、福岡支部は若松・芦屋・福岡の3会場で、山口支部は徳山・下関で、愛知支部は蒲郡・常滑で「地元」になる。
この対応が実態と合うかを、出走の数で確かめた。24会場のうち23会場では、その会場で一番多く走っている支部が、所在地の支部だった。残る大村だけは、福岡支部(16.7%)が長崎支部(16.1%)をわずかに上回った。地元の選手は、全出走の21.3%を占める。
「同じ支部どうしの譲り合い」とは別の話
この連載では以前、「同じ支部の選手が同じレースにいると、1号艇が勝ちやすくなるか」(いわゆる譲り合い)を調べた。そのときは、相手の強さをそろえると差の向きが定まらず、偶然の範囲と判断した。
今回は切り口が違う。同じレースの中の支部の組み合わせではなく、選手の支部と開催場の関係を見ている。
素の比較: 地元の1着率は1.9ポイント高い。ただし地元は1号艇に入りやすい
まず、何もそろえずに比べる。
| 出走数 | 1着率 | 平均全国勝率 | A1 | A2 | B1 | B2 | 1号艇に入った割合 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 地元 | 195,920 | 18.2% | 5.19 | 25.3% | 22.4% | 43.7% | 8.6% | 17.9% |
| 地元外 | 723,735 | 16.3% | 5.25 | 24.2% | 23.8% | 46.2% | 5.8% | 16.3% |
2024-01-01〜2026-10-17 の153,352レース。A1〜B2は級別(選手のランク。A1が最上位)の構成比。
- 地元の1着率は18.2%で、地元外の16.3%より1.9ポイント高い。
- 実力はむしろ地元の方が少し低い。全国勝率(全国のレースでの成績を点数にした値。番組表に載る)の平均は5.19対5.25で、最下位のB2級の割合も地元の方が高い。
- 一方で、地元の選手は1号艇に入る割合が高い(17.9%対16.3%)。競艇は1号艇が一番勝ちやすいので、それだけで1着率は上がる。
比べたい要因(地元かどうか)とは別の要因が結果に混ざって見えることを、交絡と呼ぶ。この表の1.9ポイントには、枠の偏りという交絡が入っている。
枠と実力をそろえると、地元の上乗せは1.0ポイント
そこで、1艇ごとに見込みを作った。地元かどうかを無視して、全期間で「同じ枠・同じくらいの全国勝率・同じくらいの相手関係」の艇が平均何%勝ったかを当てたものだ。
- 相手関係(実力差): その艇の全国勝率から、ほかの5艇の全国勝率の平均を引いた値。大きいほど、そのレースでは格上になる。
そのうえで、地元と地元外のそれぞれについて「実測−見込み」を出し、その差を比べた。そろえ方を3通り試した。
| そろえ方 | 地元 実測 | 地元 見込み | 地元外 実測 | 地元外 見込み | 地元−地元外 | 95%信頼区間 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 枠×全国勝率 | 18.2% | 17.2% | 16.3% | 16.5% | +1.3 | +1.1〜+1.4 |
| 枠×全国勝率×実力差 | 18.2% | 17.4% | 16.3% | 16.5% | +1.0 | +0.9〜+1.2 |
| 会場×枠×全国勝率×実力差 | 18.2% | 17.4% | 16.3% | 16.5% | +1.0 | +0.8〜+1.1 |
単位はポイント。95%信頼区間は、同じ条件でデータを取り直したとき、真の値がだいたい入る範囲。
そろえ方を細かくするほど差は少し縮むが、どのそろえ方でも1.0〜1.3ポイントが残った。 以下では真ん中の「枠×全国勝率×実力差」を基本にする。
同じ選手で比べても、1.0ポイント
それでも「地元によく出る選手は、もともと調子の良い選手かもしれない」という疑いは残る。そこで、同じ選手が地元で走ったときと、他場で走ったときを比べた(選手内比較)。両方を走った選手は1,702人いる。
- 見込みを引かない素の1着率では、同じ選手が地元で2.0ポイント多く勝っていた。
- 見込みを引くと1.0ポイント(95%信頼区間 +0.8〜+1.2)。
素の差の半分は、地元では良い枠や弱い相手に恵まれることで説明できた。残りの半分、1.0ポイントが地元の上乗せとして残る。地元の選手と地元外の選手を比べても、同じ選手の地元と他場を比べても、同じ1.0ポイントだった。
前半・後半とも、0をまたがずプラス
| 期間 | レース数 | 地元−地元外 | 95%信頼区間 | 選手内比較 |
|---|---|---|---|---|
| 前半(2024-01-01〜2025-05-26) | 76,676 | +0.9 | +0.7〜+1.1 | +0.9 |
| 後半(2025-05-26〜2026-10-17) | 76,676 | +1.2 | +0.9〜+1.4 | +1.1 |
レース数で2等分した。境目の日(2025-05-26)は途中のレースで分かれる。単位はポイント。
前半+0.9、後半+1.2ポイントで、向きは同じ、大きさもほぼ同じだった。どちらの期間も、信頼区間は0をまたがない。
地元外と同じレースに限ると、差は1.7ポイント
レースの中身を見ると、地元の艇の数はレースによって大きく違う。
- 地元が1艇もいないレース: 51,068
- 地元と地元外が混ざったレース: 94,133
- 全艇が地元のレース: 8,151
全艇が地元のレースでは、地元どうしで勝ち負けが決まる。地元の「実測−見込み」は、そこでは0に近くなる。全体の差は、この分だけ薄まっていた。開催名で多いのは「新春開運特選レース」「やらまいかカップ」「オール九州選抜戦」「お盆特選レース」などだった(全艇が地元のレースの数で上から4つ)。
混ざったレースだけで比べ直した。
| レース数 | 地元 実測 | 地元 見込み | 地元外 実測 | 地元外 見込み | 地元−地元外 | 95%信頼区間 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全レース | 153,352 | 18.2% | 17.4% | 16.3% | 16.5% | +1.0 | +0.9〜+1.2 |
| 混ざったレース | 94,133 | 18.7% | 17.4% | 16.0% | 16.4% | +1.7 | +1.5〜+1.9 |
| 混ざったレース・前半 | — | 18.6% | 17.3% | 16.0% | 16.3% | +1.5 | +1.3〜+1.8 |
| 混ざったレース・後半 | — | 18.8% | 17.4% | 15.9% | 16.4% | +1.9 | +1.6〜+2.2 |
単位はポイント。見込みは全レースで作ったものをそのまま使った。
地元外の選手と同じレースで戦うとき、地元は1.7ポイント多く勝っている。 同じ選手で比べても1.8ポイントだった。
枠別: 1号艇で2.6ポイント、6号艇で0.3ポイント

地元−地元外の1着率の差(それぞれ見込みを引いたもの)。横線は95%信頼区間。2024-01-01〜2026-10-17 の153,352レース。
| 枠 | 地元の出走 | 地元 1着率 | 地元 見込み | 地元外 1着率 | 地元外 見込み | 地元−地元外 | 95%信頼区間 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1号艇 | 35,022 | 57.3% | 55.3% | 54.0% | 54.6% | +2.6 | +2.1〜+3.2 |
| 2号艇 | 31,617 | 14.6% | 14.0% | 13.5% | 13.7% | +0.8 | +0.4〜+1.2 |
| 3号艇 | 32,110 | 13.5% | 12.7% | 12.4% | 12.6% | +1.0 | +0.6〜+1.4 |
| 4号艇 | 32,118 | 10.7% | 10.2% | 9.9% | 10.0% | +0.7 | +0.4〜+1.1 |
| 5号艇 | 31,801 | 6.4% | 5.8% | 5.6% | 5.8% | +0.7 | +0.5〜+1.0 |
| 6号艇 | 33,252 | 3.3% | 3.0% | 3.0% | 3.0% | +0.3 | +0.1〜+0.5 |
全レース。単位はポイント。
1号艇の差が一番大きい。ただし1号艇はもともと1着率が55%前後ある。外の枠は1着率そのものが小さいので、ポイントで比べると差は小さく見える。6つの枠すべてで、地元がプラスだった。
地元外と混ざったレースの1号艇に限ると(返還された艇も含めた1着率)、地元は57.7%(見込み54.8%)、地元外は53.7%(見込み54.7%)で、差は3.9ポイントだった。
級別(A1・A2・B1・B2)に分けても、4つともプラスだった(A1 +1.0、A2 +0.8、B1 +1.3、B2 +0.4ポイント)。最下位のB2は差が小さく、信頼区間も0に近い(+0.1〜+0.7)。
会場別: 24会場中22会場でプラス。東京の2会場はマイナス

会場ごとの地元−地元外の1着率の差。横線は95%信頼区間で、灰色は0をまたぐ会場。2024-01-01〜2026-10-17 の153,352レース。
| 会場 | 地元の支部 | レース数 | 地元の出走割合 | 地元−地元外 | 95%信頼区間 | 前半 | 後半 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| びわこ | 滋賀 | 6,274 | 15.8% | +2.8 | +1.8〜+3.7 | +2.9 | +2.6 |
| 津 | 三重 | 6,693 | 15.4% | +2.3 | +1.4〜+3.2 | +2.3 | +2.3 |
| 唐津 | 佐賀 | 6,332 | 17.8% | +1.9 | +1.0〜+2.7 | +2.0 | +1.6 |
| 戸田 | 埼玉 | 6,491 | 23.1% | +1.5 | +0.8〜+2.3 | +1.1 | +2.1 |
| 福岡 | 福岡 | 6,264 | 34.2% | +1.5 | +0.9〜+2.2 | +1.4 | +1.6 |
| 尼崎 | 兵庫 | 6,464 | 18.0% | +1.5 | +0.7〜+2.4 | +1.4 | +1.7 |
| 鳴門 | 徳島 | 5,952 | 15.9% | +1.5 | +0.6〜+2.4 | +2.1 | +0.9 |
| 丸亀 | 香川 | 6,650 | 20.0% | +1.5 | +0.7〜+2.3 | +0.8 | +2.3 |
| 三国 | 福井 | 6,348 | 14.6% | +1.4 | +0.5〜+2.3 | +1.4 | +1.3 |
| 桐生 | 群馬 | 6,399 | 19.1% | +1.3 | +0.4〜+2.1 | +1.7 | +0.7 |
| 蒲郡 | 愛知 | 6,552 | 22.1% | +1.2 | +0.4〜+2.0 | +1.0 | +1.4 |
| 徳山 | 山口 | 6,132 | 15.8% | +1.2 | +0.3〜+2.1 | +0.8 | +1.5 |
| 大村 | 長崎 | 6,742 | 16.1% | +1.2 | +0.3〜+2.0 | +1.4 | +0.9 |
| 江戸川 | 東京 | 5,672 | 29.7% | +1.1 | +0.4〜+1.8 | +0.7 | +1.4 |
| 浜名湖 | 静岡 | 6,857 | 20.9% | +1.1 | +0.3〜+1.8 | +0.3 | +1.9 |
| 下関 | 山口 | 6,344 | 17.5% | +1.0 | +0.2〜+1.8 | +0.5 | +1.6 |
| 芦屋 | 福岡 | 6,362 | 30.1% | +1.0 | +0.3〜+1.6 | +0.4 | +1.6 |
| 宮島 | 広島 | 6,498 | 19.1% | +0.8 | 0.0〜+1.6 | +0.9 | +0.7 |
| 若松 | 福岡 | 6,374 | 29.9% | +0.7 | 0.0〜+1.4 | +0.7 | +0.7 |
| 住之江 | 大阪 | 6,501 | 22.4% | +0.5 | −0.2〜+1.3 | +0.7 | +0.3 |
| 常滑 | 愛知 | 6,806 | 22.5% | +0.5 | −0.3〜+1.2 | +0.3 | +0.7 |
| 児島 | 岡山 | 6,314 | 20.8% | +0.5 | −0.4〜+1.3 | +0.7 | +0.2 |
| 平和島 | 東京 | 5,957 | 26.5% | −0.3 | −1.0〜+0.5 | −1.2 | +0.8 |
| 多摩川 | 東京 | 6,374 | 25.3% | −0.7 | −1.4〜0.0 | −0.2 | −1.2 |
地元の出走割合は、その会場の全出走のうち地元選手の割合。前半・後半の境目は2025-05-26。単位はポイント。
1会場の数字は、誤差が大きい
1会場は6,000レースほどで、地元の出走は5,500〜13,000ほどしかない。この件数だと、1会場の差には±0.7〜0.9ポイントの誤差がつく。全体の差(1.0ポイント)と同じくらいの大きさだ。
さらに、24会場を並べると、本当は差が無くても偶然だけでどこかの会場が大きく出る。たくさんの候補から結果を見て一番を選ぶと差があるように見える問題を、多重比較と呼ぶ。以前の記事「会場ランキングの罠」で数えたものと同じ構造である。
そのうえで、確かめられたことを並べる。
- 24会場のうち22会場でプラスだった。 地元に何の差も無いなら、プラスとマイナスは半々になるはずだ。22対2が偶然で出る確率は、0.01%に満たない(符号検定 p=0.00004)。
- 信頼区間が0をまたがずプラスだった会場は17会場。 マイナスで0をまたがない会場は0だった。偶然だけなら、24会場のうち1会場前後しか出ない基準である。
- 前半と後半で向きがそろった会場は24会場中23会場。 そのうち22会場は両方プラスだった。
- 選ぶデータと確かめるデータを分けた。 前半だけで「信頼区間が0をまたがなかった会場」を選ぶと11会場になった。プラスの10会場は後半もすべてプラスで、そのうち7会場は後半だけでも0をまたがなかった。前半でマイナスだった平和島は、後半はプラスに変わった。
「地元がわずかに有利」という向きは、ほとんどの会場で、前半・後半どちらもプラスだった。 一方で、「びわこは2.8ポイント、住之江は0.5ポイント」のような会場ごとの大きさの違いまで信じてよいかは別の話だ。会場ごとの差のばらつきは、誤差だけで出る範囲より大きかった(p<0.001)。ただし、その大部分は東京の会場で説明できる。
東京支部だけ、地元差がほぼ0
支部(都府県)ごとにまとめると、東京支部の地元差は+0.1ポイント(95%信頼区間 −0.4〜+0.5)で、18支部の中で一番小さかった。平和島と多摩川はマイナス、江戸川だけがプラスである。
東京支部は、全出走のうち地元(東京の3会場)で走る割合が30.4%と、18支部の中で一番高い。地元を走る機会が多いことと、地元差が小さいことが関係するのかもしれない。ただし、これはこの記事では確かめていない。 江戸川だけプラスになる理由も分からない。
東京の3会場を除いても、会場ごとのばらつきは誤差より少し大きかった(p=0.014)。会場によって地元差の大きさは違うのかもしれない。ただ、1会場の誤差が±0.8ポイントほどある以上、「この会場は地元が特に強い」と順位をつけて読むのは勧めない。
お金の面: 単勝の回収率は、地元68.4%・地元外68.3%
最後に、お金の面から見る。単勝(1着の艇を1つだけ当てる舟券)を100円ずつ買い続けたと仮定した。回収率は、買った金額に対して戻ってきた金額の割合だ。100%で収支ゼロ、それ未満は損になる。

単勝を100円ずつ買ったときの回収率。返還された艇(フライング・欠場など)は購入から除いた。2024-01-01〜2026-10-17 の153,352レース。
| 買い方 | 購入数 | 1着率 | 単勝回収率 | 標準誤差 |
|---|---|---|---|---|
| 地元の艇を全部 | 195,058 | 18.3% | 68.4% | ±0.7 |
| 地元外の艇を全部 | 721,096 | 16.3% | 68.3% | ±0.4 |
| 1号艇が地元のときの1号艇 | 34,780 | 57.7% | 92.1% | ±0.6 |
| 1号艇が地元外のときの1号艇 | 117,544 | 54.3% | 90.8% | ±0.3 |
1着率は、購入した艇(返還された艇を除く)のうち1着になった割合。返還された艇も含めた「素の比較」や枠別の表とは分母が違うので、最大0.4ポイントずれる。標準誤差は、回収率の数字につく誤差の目安(±の範囲の約2倍が95%信頼区間)。単位はポイント。
- 地元の艇を全部買っても、地元外を全部買っても、回収率は68%台で同じだった。 1着率は1.9ポイント違うのに、回収率の差は0.1ポイントである。前半は地元68.3%・地元外68.9%、後半は68.5%・67.8%で、向きも入れ替わった。
- 1号艇に限ると、地元は1.3ポイント高い(92.1%対90.8%)。ただしこの差は誤差の約2倍で、偶然でも出うるぎりぎりの大きさだ。しかも6つの枠のうち1つを選んだ数字で、2号艇・5号艇・6号艇では逆に地元の方が低かった。どちらも100%には届かない。
地元の選手が少し勝ちやすいと知って買う人が多ければ、オッズ(配当の倍率)が下がり、1着率の差は回収率に残らない。今回の数字は、その見方と矛盾しない。ただし、オッズそのものの動きはこの記事では確かめていない。
「1号艇が地元」を会場別に見ると
1号艇が地元のときの単勝回収率を24会場で出すと、100%を超えたのは尼崎の104.2%だけだった(1,203回の購入、標準誤差±4.3ポイント)。95%信頼区間はおよそ96〜113%で、100%を含む。2番目は下関の99.9%、一番低いのは桐生の82.4%だった。
24個の数字から一番良いものを選べば、どこかで100%前後の数字は出る。これも多重比較の形だ。尼崎の数字は、別の期間で再現を確かめた成績ではない。
競艇の舟券は、売上の一部を主催者が先に差し引いてから配当に回す。この差し引かれる割合を控除率と呼ぶ。地元の艇に絞っても、回収率の上がり幅は地元外と比べて0.1〜1.3ポイントだった(全部買うと+0.1、1号艇だけだと+1.3)。100%との差(地元の艇を全部で約32ポイント、1号艇で約8ポイント)を埋める大きさではない。
測り方の詳細数え方と対象の決め方。読まなくても本文の結論は変わりません
- 期間とレース数: 2024-01-01〜2026-10-17。DBの最初の日付から、執筆日(2026-10-18)の前日までの全データを使った。
- 母集団: 153,352レース・919,655艇。DBの
raceテーブルにある同期間の157,320レースのうち、次をすべて満たすレースを使った。(a) 6艇すべてに進入コースの記録がある(欠場なし)、(b) 着順「01」の艇がいる、(c) 単勝の払戻がある。番組表の出走データが6艇に満たないレースが447あり、その分だけ艇数は153,352×6より457少ない。 - 地元: 番組表の支部(
race_entry.branch)が、開催場の所在都府県と同じ艇。支部はレースごとの番組表の値を使った。 - 1着:
race_resultの着順が「01」。フライング・出遅れ・失格は「1着でない」に数えた。 - 見込み: 地元かどうかを無視して、全期間の「枠 × 全国勝率の帯(0.5刻み)× 実力差の帯(0.5刻み、±2.5で打ち切り)」ごとの1着率を、各艇に当てたもの。別のそろえ方として「枠 × 全国勝率の帯(0.25刻み)」と「会場 × 枠 × 全国勝率の帯 × 実力差の帯」も出した。
- 地元−地元外: 地元の艇の(実測−見込み)の平均から、地元外の艇の(実測−見込み)の平均を引いた値。
- 選手内比較: 選手ごとに「地元かどうか」と(実測−見込み)の平均を引いてから傾きを取った(選手の固定効果)。誤差は選手単位でまとめて計算した。
- 会場ごとのばらつきの検定: 24会場の差が共通の1つの値から誤差の範囲でずれているだけかを、重み付きの二乗和(χ²、自由度23)で調べた。
- 単勝回収率: 単勝の払戻の合計÷購入額。フライング・出遅れ・欠場で返還される艇は、購入に含めていない。
- 注意: 全国勝率には、その選手が地元で走ったレースの成績も入っている。地元で勝ちやすい選手は全国勝率も少し高くなるので、全国勝率でそろえると地元の上乗せを少し小さく見積もる方向にずれる。今回の1.0ポイントは、控えめな側の数字と考えている。
- 確かめていないこと: 地元が有利になる理由(水面への慣れ、移動の負担、番組の組み方など)、東京支部だけ地元差が小さい理由、選手が支部を移った場合の扱い(番組表の値をそのまま使った)、地元選手のオッズの動き、グレード(SG・G1など)ごとの違い。
- この記事の集計はすべて過去データを数えたもので、モデルの予測は使っていない。
まとめ
- 地元の1着率: 枠・実力・相手関係をそろえると、地元は地元外より1.0ポイント高い。同じ選手で比べても1.0ポイント。前半・後半とも、0をまたがずプラスだった。
- 地元外と同じレースでは: 差は1.7ポイント。全艇が地元のレースが全体の差を薄めていた。
- 枠別: 1号艇で2.6ポイントと一番大きく、6号艇で0.3ポイント。6枠すべてでプラス。
- 会場別: 24会場中22会場でプラス。東京の平和島・多摩川はマイナスだった。1会場の数字には±0.8ポイントほどの誤差がある。
- お金: 単勝回収率は地元68.4%・地元外68.3%で同じ。1号艇でも92.1%・90.8%で、100%に届かない。
「地元の選手は有利か」と聞かれたら、数字の上では少し有利と答えられる。ただ、その差は1着率で1〜3ポイントで、単勝の回収率にはほとんど表れていない。地元かどうかは、予想の材料にはなっても、それだけで回収率を変える材料にはならなかった。
免責
- 本記事に記載した数値はすべて過去データに対する実測であり、将来の的中や利益を保証するものではありません。
- 本記事および言及したツールは分析の補助を目的としており、舟券の購入を勧誘するものではありません。
- 舟券は20歳未満の方は購入できません。
- 舟券の購入は自己責任で、生活に必要な資金とは別の、余裕資金の範囲で行ってください。のめり込みには十分ご注意ください。