競艇の回収率と的中率の平均を実測した。全レースを全通り買い続けると58.9〜78.0%で、7券種とも100%に届かない(14.7万レース)

オッズと回収率 公開

競艇の回収率は平均で何%なのか。的中率は平均でどれくらいなのか。

予想も工夫もせず、全レース・全組み合わせを買い続けたらどうなるかを数えた。使ったのは、このサイトのデータベースにある 2024-01-01〜2026-11-01 の 146,809 レースである(6艇とも完走したレース)。予想モデルは使っていない。

結論を先に書く。

  • 全通り買いの回収率は、券種によって58.9〜78.0%だった。 いちばん高い複勝で78.0%、いちばん低い3連単で58.9%。7券種とも100%に届かない。
  • 34か月を1か月ずつ見ても、100%を超えた月は1つもなかった。 月ごとの最大は複勝の83.2%である。
  • ランダムに1点買ったときの的中率の平均は、組み合わせの数で決まる。 単勝16.7%、3連単0.83%。
  • 売上全体で見た平均(オッズから逆算)は、3連単で74.8%だった。 同じレースを全通り均等に買うと57.3%まで下がる。差は、21番人気以降の100点のような不人気の組を多く含むことで説明できる。
  • 1番人気(単勝・複勝は1号艇)の1点だけを買うと、回収率は上がる。 それでも最も高い複勝1号艇で94.2%、3連単1番人気で78.1%。100%には届かない。

この記事の前提

回収率は、舟券に使った金額に対して戻ってきた払戻の割合である。100%で収支トントン、それ未満は損になる。

全通り買いは、毎レース、その券種のすべての組み合わせに100円ずつ賭ける買い方である。単勝なら6点で600円、3連単なら120点で12,000円になる。どれか1組は必ず当たる。

項目 内容
集計期間 2024-01-01〜2026-11-01
対象レース 146,809 レース
条件 6艇とも完走(欠場・フライング・出遅れ・失格なし)
払戻 実際に支払われた払戻金をそのまま使った。オッズからの計算ではない
券種ごとの分母 その券種の払戻が記録されたレース(下の注記)

6艇完走に絞ったのは、欠場や失格があると組み合わせの数と返還の扱いが変わり、「全通り」の点数が決まらないからである。同じ期間に結果が出ているレースは 157,635 あり、そのうち 10,826 は6艇完走ではなかった。

注記: 80レースは、一部の券種の払戻がデータベースに無い。 80件とも特払い(当たった舟券が1枚も売れておらず、70円が返されるもの)が出た大荒れのレースである。公式の成績ファイルには載っているが、このサイトの取り込み処理が「特払い」の行を読めていない。扱いは次のとおり。

欠けた券種 レース数 この記事での扱い
単勝 71 単勝が特払い。単勝の分母から外した(単勝は 146,738 レースで計算)
2連単・2連複・3連単・3連複 8 2連複などが特払いで、4券種の行がまとめて欠けた。4券種の分母から外した(146,801 レース)
複勝 2 複勝が特払い。複勝の分母から外した(146,807 レース)

単勝が欠けた1件は、4券種も欠けている(71件と8件の両方に入る)。拡連複は欠けが無く、146,809 レースすべてで計算した。


全通り買いの回収率は58.9〜78.0%。7券種とも100%に届かない

全レースを全通り買うと、回収率は58.9〜78.0%

2024-01-01〜2026-11-01・6艇とも完走した 146,809 レース(券種ごとに、払戻が記録されたレースで計算)。毎レース、全組み合わせに100円ずつ。

券種 点数 分母のレース数 購入総額 払戻総額 回収率 1点あたりの的中率
複勝 6 146,807 88,084,200円 68,663,180円 78.0% 33.3%
拡連複 15 146,809 220,213,500円 156,038,210円 70.9% 20.0%
単勝 6 146,738 88,042,800円 59,347,080円 67.4% 16.7%
2連複 15 146,801 220,201,500円 133,836,550円 60.8% 6.7%
3連複 20 146,801 293,602,000円 176,822,100円 60.2% 5.0%
2連単 30 146,801 440,403,000円 262,814,340円 59.7% 3.3%
3連単 120 146,801 1,761,612,000円 1,037,054,010円 58.9% 0.83%

3連単を全レース全通り買うと、約17.6億円を賭けて約10.4億円が戻る。差の約7.2億円が損になる。

控除率(売上から払戻に回す前に差し引かれる割合)は一般に25%とされる(法律が定めるのは「払戻は売上の75%以上」という下限。詳しくは控除率の記事)。そのため「全部買えば75%戻る」と聞くことがある。実測では75%を超えたのは複勝だけで、残りの6券種は58.9〜70.9%だった。理由は後の節で書く。

控除率の記事は、2026-09-22 までの6艇完走 141,130 レースで同じ表を測っている。この記事の数え方で 2026-09-22 までを測ると、3連単58.9%・2連単59.8%・単勝67.5%で、控除率の記事と表示の桁まで同じになる。11/01 まで伸ばした今回は、3連単は58.9%のまま、2連単は59.8%→59.7%、単勝は67.5%→67.4%、複勝は77.9%→78.0%と、表示の桁で0.1ptずつ動いた(実際の差はどれも0.1pt未満)。


的中率の平均は「組み合わせの数」で決まる

表の右端の「1点あたりの的中率」は、ランダムに1点だけ買ったときの的中率の平均と同じである。

券種 当たる組の数 / 全組み合わせ 1点あたりの的中率
複勝 2 / 6 33.3%
拡連複 3 / 15 20.0%
単勝 1 / 6 16.7%
2連複 1 / 15 6.7%
3連複 1 / 20 5.0%
2連単 1 / 30 3.3%
3連単 1 / 120 0.83%

これは予想の上手下手と関係なく、算数で決まる値である。ランダムに買うと、3連単は120回に1回しか当たらない。

ランダムに1点買ったときの回収率の平均も、全通り買いと同じになる。 全通り買いは、すべての組を1点ずつ買うことだからである。3連単をでたらめに1点買い続けると、平均の回収率は58.9%になる。


月ごとに見ても、100%を超えた月は1つもない

平均だけでは「たまたま当たる月」が見えない。そこで年ごと、月ごとにも測った。

年 6艇完走のレース数 単勝 複勝 2連単 2連複 拡連複 3連単 3連複
2024 51,431 68.2% 77.9% 60.5% 61.0% 71.4% 59.7% 61.1%
2025 51,419 67.3% 78.0% 60.2% 61.5% 70.9% 59.3% 60.0%
2026(〜11/01) 43,959 66.6% 78.0% 58.1% 59.7% 70.1% 57.4% 59.4%

各券種の分母は、その年に払戻が記録されたレース。

券種 月ごとの最小 月ごとの最大
複勝 75.1%(2025年11月) 83.2%(2025年1月)
拡連複 68.8%(2026年6月) 73.6%(2024年6月)
単勝 63.3%(2026年2月) 71.9%(2024年7月)
2連複 56.7%(2024年3月) 65.8%(2025年6月)
3連複 56.9%(2026年5月) 63.8%(2024年7月)
2連単 56.3%(2024年3月) 65.1%(2025年6月)
3連単 54.8%(2024年3月) 62.8%(2025年10月)

2024年1月〜2026年10月の34か月。2026年11月は1日分(159レース)しかないので除いた。

7券種×34か月のどこにも、100%を超えた月はない。全通り買いは、月単位でも年単位でも負け続ける。

2026年は、2024・2025年より低い券種が多い(3連単で2024年59.7%・2025年59.3%→2026年57.4%)。理由は調べていない。


売上全体の平均は約75%。全通り買いがそれより低い理由

「売上の75%が払い戻される」と「全通り買いで58.9%」は、どちらも間違っていない。測っているものが違う。

  • 75% は、売上全体に対して払戻に回る割合である。全員が賭けたお金を合計して見た平均になる。
  • 58.9% は、120通りに100円ずつ均等に賭けた場合の回収率である。

売上は120通りに均等には入っていない。人気の組に多く、人気のない組に少なく入る。

3連単の売上全体の平均は74.8%(オッズから逆算)

3連単の確定オッズから、売上に対する払戻の割合を逆算できる(1 ÷ 全組の「1/オッズ」の合計)。このデータが取れている 2026-01-15〜2026-07-20 の 26,636 レースで計算した。

同じ 26,636 レースで 値
オッズから逆算した払戻の割合(平均) 74.8%(最小73.6%・最大75.0%)
全通り均等買いの回収率 57.3%
売れた舟券のうち当たった割合(推定) 4.4%
ランダム1点の的中率 0.83%

売上全体で見れば、3連単は約75%が払い戻されている。全員の平均は約75%になる。 ところが均等に買うと57.3%まで下がる。

「売れた舟券のうち当たった割合」は、各レースで的中した組に賭けられたお金の割合を、オッズから推定して平均したものである。オッズは0.1倍単位に丸められているので、推定値として読んでほしい。ランダム1点なら0.83%しか当たらないが、実際に売れた3連単の舟券は推定4.4%が当たっていた。人が人気の組に集中して賭けているからである。

人気のない組ほど、回収率が低い

では、均等買いでどこが損を広げているのか。3連単を人気の帯で分け、帯ごとに全部の組を100円ずつ買った。

3連単は、人気がない組ほど回収率が低い

2024-01-01〜2026-11-01・6艇とも完走し、3連単の払戻が記録された 146,801 レース。人気は払戻表に載った確定時の順位。

人気の帯 点数 1点あたりの的中率 回収率
1番人気 1 10.67% 78.1%
2〜5番人気 4 6.52% 77.9%
6〜20番人気 15 2.38% 75.9%
21〜60番人気 40 0.55% 66.6%
61〜120番人気 60 0.10% 47.9%

1〜20番人気の帯は75.9〜78.1%で、売上全体の約75%に近いか少し上にある。21〜60番人気は66.6%、61〜120番人気は47.9%まで下がる。

全通り買いは、120点のうち100点が21番人気以降の組である。回収率の低い組を、点数の大半で買っている。 これが、全通り買いが75%より低くなる理由である。

人気のない組の回収率が低いのは、当たる確率に比べて配当が低すぎることを意味する。人気のない組に、当たる確率以上のお金が集まっていると読める。ただし今回は、なぜそうなるのかまでは調べていない。

複勝だけが78.0%と75%を超えたのも、同じ見方で説明できるかもしれない。ただし複勝は人気の記録が無く、確かめていない。


1番人気(単勝・複勝は1号艇)の1点に絞ると上がる。それでも100%には届かない

全通りではなく、毎レース1点だけ買う場合も測った。買ったのは「1番人気の組」(単勝・複勝は1号艇)である。分母はすべて 146,809 レース(外れは0円)。

払戻が欠けた80レースでも、欠けた券種の1号艇・1番人気の1点は外れていた(着順と公式の成績ファイルで確かめた)。そのため、これらのレースも0円として分母に入れている。

買い方 的中率 回収率
複勝 1号艇 72.9% 94.2%
単勝 1号艇 55.3% 91.6%
3連単 1番人気 10.7% 78.1%
3連複 1番人気 26.1% 77.4%
2連複 1番人気 33.0% 76.4%
2連単 1番人気 24.2% 76.1%
拡連複 1番人気 54.3% 72.1%

単勝・複勝は人気の記録が無いので、1番人気ではなく1号艇で代用した。

どの券種でも、1番人気(単勝・複勝は1号艇)の1点のほうが、全通り買いより回収率は高い。3連単は全通り58.9%に対し、1番人気だけなら78.1%になる。ただし、すべて100%を下回る。

これは「1点に絞れば上がる」という意味ではない。前の節のとおり、でたらめに1点を選んだ場合の平均は、全通り買いと同じ58.9%になる。上がったのは、回収率の高い人気の組を選んで買ったからである。

1番人気の買い続けは1番人気の記事、3連単1番人気の的中率とオッズの関係は3連単1番人気の記事で詳しく測っている。


測り方の詳細数え方と対象の決め方。読まなくても本文の結論は変わりません
  • 対象: 2024-01-01〜2026-11-01 のレースのうち、6艇の着順がすべて1〜6着の 146,809 レース。データベースのレース表には同じ期間に 159,612 レースある。差は、結果が無いレース(中止など)1,977 と、6艇完走でないレース 10,826。
  • 券種ごとの分母: その券種の払戻が記録されたレースで割った。単勝 146,738、複勝 146,807、2連単・2連複・3連単・3連複 146,801、拡連複 146,809。
  • 払戻が欠けた80レース: 80件とも特払いを含むレースで、公式の成績ファイルには載っている。取り込み処理が「特払い」の行を読めず、データベースに入っていない。
  • 単勝の71件は、単勝の分母から外した。外さずに70円として足すと、単勝は67.38%(外した場合67.41%)。表示している67.4%は変わらない。
  • 4券種が欠けた8件は、3連単の払戻が34,880〜195,840円の大荒れだった。公式ファイルの払戻を足して計算し直すと、3連単は58.92%で表示は58.9%のまま。2連単・2連複・3連複も表示の桁は変わらない。3連単の61〜120番人気の帯だけは47.9%→48.0%になる。
  • この80レースを外し、「7券種すべての払戻がそろうレース」だけで数えると、3連単58.6%・2連単59.3%・61〜120番人気47.3%と低く出る。外れるのが大荒れのレースばかりだからである。
  • 全通りの点数: 単勝6・複勝6・2連単30・2連複15・拡連複15・3連単120・3連複20。複勝は2組、拡連複は3組が当たる。
  • 同着: 単勝で2レースあり、払戻が2つある。2つとも足した。
  • データベースに入っている特払い: 単勝1件・2連複2件。記録どおり70円として足した。
  • 売上全体の平均(74.8%): 3連単の確定オッズ(120通り)から 1 ÷ Σ(1/オッズ) で計算した。3連単以外はこの計算に使えるオッズがそろっていないので出していない。
  • 人気: 払戻表に記録された、的中組の確定時の人気順位を使った。
  • 再現: articles/_work/i52_calc.py → reports/i52_calc.json。計算ログは articles/_work/i52_calc.md。

この記事の限界

  • 特払いのレースを外した値は、実際に全通り買いをした場合の値ではない。 全通りを買う人がいれば特払いにはならず、払戻はもっと大きくなる。表示の桁は変わらないが、厳密な再現ではない。
  • 6艇完走のレースだけで数えた。 欠場や失格のあるレース(全体の約7%)は入っていない。そうしたレースでは返還が出るので、回収率は少し変わる可能性がある。
  • 特払いの扱いで、数字が少し動く。 単勝の特払い71件を分母から外したこと、4券種が欠けた8件を外したことの影響は、上の「測り方の詳細」に書いた。表示している桁は、3連単の61〜120番人気の帯(47.9%→48.0%)を除いて変わらない。
  • 複勝は、345レースで払戻が1艇分しか記録されていない。 公式の成績ファイルでも、この345レースは1艇分しか載っていない(全件を確認した)。1艇分しか載らない理由は調べていない(未検証)。全通り買いなら2艇分が当たるので、複勝の回収率は実際より少し低く出ている可能性がある。拡連複も、払戻が1〜2組しか記録されていないレースが30件ある。
  • 売上全体の平均は、3連単の約半年分(26,636 レース)だけで出した。 ほかの券種や、ほかの期間では確かめていない。
  • 人気のない組の回収率が低い理由は調べていない。 実測で「低い」ことを確かめただけである。
  • 2026年の回収率が低めな理由も調べていない。

まとめ

  • 競艇の全レースを全通り買い続けると、回収率は58.9%(3連単)〜78.0%(複勝)だった(2024-01-01〜2026-11-01・6艇完走 146,809 レース)。
  • 7券種×34か月のどこにも、100%を超えた月は無い。
  • 1点あたりの的中率の平均は、組み合わせの数で決まる。単勝16.7%、3連単0.83%。
  • 売上全体の平均は、3連単でオッズから逆算すると74.8%だった。全通り均等買いはそれより低い(同じレースで57.3%)。人気のない組の回収率が低く(61〜120番人気で47.9%)、全通り買いはその組を多く含むからである。
  • 1番人気(単勝・複勝は1号艇)の1点に絞ると回収率は上がるが、最も高い複勝1号艇でも94.2%で、100%には届かない。でたらめに1点を選んだ場合は、全通り買いと同じ平均になる。

「平均」で見た競艇の回収率は、この記事で測ったどの切り方でも100%を下回る。予想をせずに買い続ければ、その割合だけが手元に戻る。


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